錫は、青銅器の材料などに使われることで有名な金属です。日本では古来より神仏器具として使われており、酒器として江戸時代頃より庶民の間でも使われるようになりました。抗菌性・熱伝導に優れていて、錆びにくく腐食もしにくいという特徴を持っています。

そんな性質もあり、神社仏閣などでは古くから「御神酒徳利」に錫の酒器が使われています。

錫は酸化しにくく、錆びにくい安定した金属として知られています。そのため色の変化が少なく、美しい光沢を長期間に渡って保ち続ける特性を受け、古くから装飾品として用いられてきました。

錆びにくいということは、有害物が溶け出さない、安心安全な素材だということ。また、錫には抗菌作用があることが知られており、その特徴もあってか、神様に捧げる進物としても扱われてきました。

錫は希少性が高く、金・銀に次ぐ高価な金属。さらに金属特有の嫌な臭いもしないため、テーブルウェア用品の素材としても用いられています。錫は金属の一種ですが、純度100%のものは非常に柔らかく、手の力でも曲げられるほど。落とすと変形することはあっても割れにくく、それも手で修復できるのが利点です。

日本では平安時代の宮中でお酒を呑む際に錫器が用いられていたと言われ、お酒と錫の相性はその時代から現代に根付いています。

古くから日本に伝わる錫の酒器ですが、高いイオン効果によってお酒の雑味を除いて、味と口当たりがまろやかになると言われています。

錫は熱伝導率が良いので、酒器を使う直前に冷蔵庫で数分冷やすと、十分な冷たさになります。冷酒はキリリと、熱燗は一層香り高く。ビアカップやタンブラーにビールを注ぐと内側の凸凹できめ細かい泡が立ちますよ。

錫には殺菌効果があり、その殺菌効果により、切り花の切り口に雑菌がつかないとの研究結果もあるほど。錫と植物との相性について、まだ知られていないことも多いですが、「錫の花瓶は切り花が長持ちする」、「井戸の中に錫を落とすと水がきれいに保たれる」と古くから言われています。